『Gのレコンギスタ』考察と予想 その4 もう一つの『Zガンダム』にして真の『∀ガンダム』 *ネタバレ注意 2018/11/26
*ネタバレ注意
その3までのように考えていたのだが、そう考えるのが間違いだと気づいた。いや、間違いではなく『Gのレコンギスタ』はもう一つの『Zガンダム』なのだが、もっと重要なことにやっと気づいた。
ある時、肩の力を抜いて話を見て、24話を見た。
主人公機が角錐を長距離ビーム砲で狙撃している。
どう見ても『エヴァンゲリオン』のパロディだ。
それだけではない。
やたらと多い、思わせぶりだが実態のない専門用語の羅列。
近親相姦的な恋愛感情。
電池で動くモビルスーツ。
主人公の声に反応する主人公機。その後のユニゾンキックもどき。
パーフェクトパックの光円と六枚羽。
実際に見に行ってみると、まったく大したことのないSF設定。
クンパ大佐の長台詞で分かる通り、隠す気のないストーリーの破綻。
(訂正:これは22話Bパートで、クンパ大佐とジュガン司令がマスクの行動を説明するシーンの記憶違いだった。なくても成立する蛇足をわざと入れていると思う。)
完全にストーリーを放り投げた最終回。
うん、全般的に『エヴァンゲリオン』のオマージュだ。
だが、『ガンダム』だと思い込んで真面目に考え込んでいたら、ついさっきまで本気でわからなかった。
24話でこんなににも解りやすいネタばらしをやっていたのに、今日やっと気づいた。
24話だけを見せられれば、初見でわかるような種明かしも、
これが『ガンダム』だと思って見ていると、気が付かないものだ。
先入観と思い込みというのは本当に怖いものだ。
設定を真面目に考え込んで、ここまで釣られたのはそれこそ『エヴァンゲリオン』以来だ。
(『エヴァンゲリオン』のパロディなのだから、解りにく過ぎることは、解りにくいのではなく、そもそも答えが用意されていないブラフなのだとと思う。)
『ガンダム』のファンが『ガンダム』を見たというだけで、ここまで視野が狭くなるとは思っても見なかった。
『初代ガンダム』に危険な熱狂をしたファンがいたのではないか、と指摘したが、自分でもこうなのだから人のことは言えないものだ。
『Gのレコンギスタ』は、人間の視野の狭さ、先入観と思い込みの危険性を、
富野自ら『ガンダム』の新作を作るという、叙述トリックで隠し、鋭く指摘する作品だ。
それだけに、叙述トリックに隠されたところにたどり着き、『エヴァンゲリオン』のオマージュだとわかったときに受ける衝撃とカタルシスがすごい。
同時に、富野由悠季が『エヴァンゲリオン』のファンだという意外な告白でもあるだろう。
未来に至るまで『ガンダム』と比較されるであろう作品があるとすれば、
それは『エヴァンゲリオン』だろう。同様に社会現象になり、熱狂的なファンがたくさんいる作品だ。
そのオマージュを『ガンダム』だという叙述トリックに隠し、わかりにくくしたことが意味するのは何か。
未来の人間に対しても『ガンダム』に責任を持ち、アニメに熱狂することを始めとした、人間の視野の狭さ、先入観と思い込みの恐ろしさを指摘しているということではないだろうか。
これこそが、『Gのレコンギスタ』のメインテーマだと思う。
以上より『Gのレコンギスタ』はもう一つの『Zガンダム』にして、
『∀ガンダム』でやりたかったことを、よりいっそう洗練させて制作されたものである。
それと同時に、未来人が視聴することまで考えた、
ガンダムシリーズの集大成だとも思う。
これだけでは芸がないので、劇場版の予想もしておこう。
エンディングを見ると、登場人物が肩を組んで踊っている。
フェアウェルソング風である。
TV版『Gのレコンギスタ』は、劇中劇なのではないだろうか、
そして、制作が決定した劇場版が本編、もしくは史実なのではないだろうか。
TV版と同様に、意外な作品であってもそうでなくても構わない。
劇場版に期待する。
5部作は『エヴァンゲリオン』を意識したジョークかもしれないが。
続く
『Gのレコンギスタ』考察と予想 その5 まとめとメインテーマ *ネタバレ注意 - FRWブログ
fast-run-winding.hatenablog.com