『魔法少女まどか☆マギカ』考察 探偵のいないミステリーの先 美樹さやかの物語 その1 再掲載 *ネタバレ注意
*ネタバレ注意
美樹さやかのことを語る上でまず指摘したいのは、上条恭介のモチーフが、
中学2年生で、14歳で、弦楽器奏者で、左手がしびれると劇中で思い切りいっている『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公、セカンドチルドレン、碇シンジにほかならないということである。
そうなると、さやかのモチーフは、どう考えても綾波レイである。(少なくともキャラクターデザイン上は)
そして『エヴァンゲリオン』がマザー・コンプレックスの物語であったように美樹さやかの物語は、上条恭介を真の主人公にしたマザー・コンプレックスの物語であるということである。
最終回から見ていこう、
さやかは、まどかのとなりで恭介の弾く『アヴェ・マリア』を聞きながら亡くなっていった。そして、
1.ミュージシャンである恭介の内心の描写が、声になって表れたのはさやかの死に気づいたときのみである。他の場面では恭介の内心の描写は一切書かれていない。
2.『アヴェ・マリア』のマリアというのは、勿論イエス・キリスト母親のことであって、「恭介の弾く『アヴェ・マリア』聞きながら死んでいったさやかは母親ポジションの人ですよ。」と製作者はとてもわかり易いヒントを出している。
1.と2.をあわせて考えると、
美樹さやかの物語は、
「さやかは母親ポジションの人だ」というヒント一緒に、
恭介がどういう人間で、何を考え、何をしていたのかはあえて伏せいる、
叙述トリックのクイズになっているので、振り返ってみてもらいたいという製作者からの出題だと思われる。
これを読み解きながら、考察を進めていく。
続く