『魔法少女まどか☆マギカ』考察 ~探偵のいないミステリーの先~ 美樹さやかの物語 その5 エピローグ 再掲載 *ネタバレ注意
*ネタバレ注意
さやかが、まどかに連れられ死んでいったあとのことである。
時間も場所もおかしくなっている表現だが、
舞台はコンクールから、大勢の聴衆に囲まれたホールへ、
恭介は、燕尾服に身を包んで『アヴェ・マリア』は演奏を終える。
その時、恭介は劇中で唯一内心の描写を声に出し、さやかとの本当の別れに気づいた。
その後、場面は変わり、さやが円環の理に導かれ死んでいったところへ、
ここはどう見ても火葬だろう。
この表現が意味するものは。
最初に指摘したように、恭介の内心はあえて伏せてある事。
恭介にとってさやかは母性的な存在だということ。
いろいろあったが、それでも恭介にとってさやかは特別な存在だということ。
(さやかに恋をしていただろう。母親を求めていることに気づくまでは。)
そして、さやかは立派に成長した恭介に、実の子供に看取られるように死んでいったということだろう。
少女の瞳に映らなかったのは、恋した少年の自分に対するマザーコンプレックスだった。
これはえげつない。
以上より、美樹さやかの物語は、残酷な成長と死を描いたものである。
そうであると同時に、男女の関係に対する、問題提起だろう。
次からは、鹿目まどかの物語を考察し書いていく。
続く